• コラム

    失敗しないシステム開発案件の発注術

  • プロジェクトを失敗させる発注者の3つの傾向

    このコンテンツは、システム発注者の方が発注後に失敗しないようにするために書きました。

    弊社にお問い合わせ頂くお客様の中には、プロジェクトに失敗された後に、ご相談にくるケースがあります。

    お客様の失敗にはある程度傾向があり、今回はそれをまとめました。

    ぜひこのコンテンツはシステム案件のご発注前にお読み頂きたいと思います。

    ※特にITにあまり詳しくない、苦手という方は必ずお読み頂くべきです。

    失敗する発注者に多いパターンその1

    価格の安さや短納期にすぐに飛びついてしまう。

    たとえば、家を建てたいと考えたときに、価格は50万円、工期は1ヶ月であなたの希望の家を建てますと言われたら、あなたは建てますか?

     

    絶対怪しいと思われたと思います。トラブルの匂いしかしません。

    もしこのような工務店があり、そこに依頼した方がいたのであれば、おそらくいつまで経っても家が完成しなかったり、完成しても欠陥だらけの家になってしまうことは、誰しも想像がつきます。

     

    それが家ではなく、システム開発となると、我々にとってはこれくらい怪しいと感じてしまう内容でも、発注してしまう方がいらっしゃいます。

    もちろん、システム開発の場合は50万円で作れるものもあれば、100万円や、1000万円や、それ以上のものもあり、ピンきりです。

    ですから発注者からすれば、わかりにくいと思うのも当然なことかと思います。

    ではどうしたら良いでしょうか?

    答え:相見積もりを取り、相場感を知りましょう。

    普通のことですが、まずは複数社から相見積もりを取りましょう。

    その時、開発手法や、会社規模によって、価格に大きなバラツキが出ることがあると思います。

    もう一度、家を建てるケースに例えますと、街の工務店さんに依頼するのと、大手ハウスメーカーに依頼するのでは、見積もり価格に差が出るのと同じです。

    率直に他社との価格差(高い or 安い)について聞いてみましょう。

    聞くことは恥ずかしいことではありません。わからないことがあれば、素直に聞いてみることが大切です。

    特にIT業界では発注者側のITスキルにかなりの差があり、弊社ではできるだけわかりやすくお伝えするようにはしていますが、ITスキルの高いお客様に慣れてしまっている場合に、IT用語を当たり前のように話してしまうことがあります。わからないことがあれば素直に聞いてみましょう。

     

    よくある安い理由

    • この手のシステム開発の経験が豊富でノウハウがある。
    • 人件費の安い海外に依頼する(※この開発手法のことはオフシュア開発と呼びます。)
    • オープンソースなど既にあるシステムをカスタマイズする。
    よくある高い理由
    • 大規模なシステム開発しかしない会社だと、小さいシステムでも大規模な体制で対応してしまうため、高くなる場合があります。
    • 単価が高い(1ヶ月にひとりのエンジニアがフルに働いた時の単価を人月といいます。地域によっても差があります。大体60〜100万円の間が一般的です。)
    • テストへの時間のかけ方に差がある。テストはやればやるほど品質が上がります。100%完璧対応した場合、膨大な時間とコストがかかるため、そのバランスをどう決めるかは会社によって差が出るところです。

    必ずしも安いから悪い、高いから悪いというわけではありません。相見積もり時に大きな差がある場合は、理由をしっかり確認しておきましょう。

    相見積もりをするポイントは、1社の言うことだけを鵜呑みにしないためでもあります。会社によっては正反対のことを言われる場合もあるからです。

    個人ではなく、法人に依頼しましょう。

    今はネットからフリーランスの方に簡単に仕事が依頼できる時代になりました。これはとても良いことだと思います。

    しかし、フリーランスの方に仕事をする場合は、必ずプロジェクトの管理(ディレクション)能力と品質管理能力が必要になります。

    一般の方がこれを行うのはとても難しいです。

    個人は簡単に逃げられてしまう。

    私自身の昔の経験ですが、個人の方にマッチングサイトを通じて仕事を依頼していたのですが、作ってもらったプログラムの品質が悪く、何度も修正依頼をしているうちに逃げられてしまったことがあります。

    まだ会社を立ち上げたばかりの頃で、安さに惹かれて依頼してしまったのですが、反省しています。

    予算がない個人事業主の方の場合、法人のシステム開発会社に依頼することはかなりハードルが高いと思います。その場合は、身近にいる信頼できるフリーランスのエンジニアに依頼するのが一番良い方法かもしれません。しかし、やはり予算がない中でシステムを作ってしまうのはとてもリスクがあります。

    会計ソフトのfreeeの会社の社長も当初はそうだったようなのですが、こういうケースではご自身でプログラミングを勉強されて作るのが一番の遠回りのようで近道だと思います。

    失敗する発注者に多いパターンその2

    急ぎすぎてしまい、必要な工程を省いてしまう。

    その1に通じる部分がありますが、発注側があまりに急ぎすぎていると、受注側も慌ててしまいます。

    システム案件で大切なことは、慎重に進めることです。

    期日が決まっているプロジェクトで急ぐ気持ちもわかりますが、大事な工程を省いてしまうと、後々トラブルを生んだり、想定通りのものが完成せず、余計に時間がかかってしまうことになりかねません。”急がば回れ”です!

    システム開発業者さんとしっかり要件を詰め、契約書もしっかり交わしましょう。

    最初にしっかりコミュニケーションをとり、信頼できる相手かどうかしっかり見極めることも大切です。

      ポイント

      • 要件定義は発注者と受注者側で協力してしっかりやりましょう。
      • 契約書を交わし、お互いの相違がないかをしっかり確認しておきましょう。
      • 初期のコミュニケーションで信頼できる相手かしっかり見極めましょう。

      最初からしっかりした要件定義がなくても大丈夫

      最初からしっかりした要件定義があると、御見積りの精度が上がります(金額のブレがなくなります)が、弊社のケースでは、最初からしっかりとした要件定義をドキュメントにしてあるお客様はとても稀です。システム部門が内部にあるお客様では作成されているケースが多いですが、経営者の方や、広報、管理部門の方のようなシステムのプロではありませんので、少し手間ですが、下記のような流れで進めることが重要です。

    • 1

      やりたいこと、実現したい内容を伝える

      やりたいことを箇条書き程度でOK。

      実現したいことの優先度を決めておく。

      スケジュール・納期を伝える。(いつまでに業者選定し、いつまでにプロジェクトを終えたいかの大体のスケジュールでOK)

      予算感を伝える。・・・後述します。

      2

      概算見積もりをもらう

      この時点ではざっくりとした見積もりでもらうことがポイントです。

      見積りを算出する作業は業者側に負担があり、正確な御見積りを出せと言われると、システム規模が大きいほど嫌がられてしまうケースがあります。

      また、どのようにやりたいことを実現するかの方法は、その道のプロである業者の方から提案してもらうほうがいいでしょう。

      業者側は、やりたいこと、その優先度、予算感を元に最善の方法を提案してくれます。

      3

      業者選定(信頼できる業者を選ぶ)

      その1でもお伝えしましたが、安さやスピードだけで選んではいけません。

      御見積りをもらったら、しっかり話を業者からの話を聞き、信頼できて、自分たちに合うかどうかという視点で決めましょう。

      御見積書、スケジュールと一緒に、業務委託契約書などの契約書類の雛形ももらいましょう。(発注側で用意する場合は、事前に見せておきましょう)

      4

      チームビルディング・プロジェクトスタート!

      業者を1社に絞ったら、さらに打ち合わせを行い要件を絞っていき、最終見積もりを確定させ、発注を行います。

      ここまできたら、一緒にプロジェクトを成功に導くパートナー、1つのチームだと思って動きましょう

      事業主体はあなたです。業者に丸投げをしても決して良い結果は生まれません。

      5

      要所要所でレビュー会を行う

      要件定義ができたら、あとは完成まで楽しみに待つのはやめましょう。

      上でも述べたように、丸投げせずに一緒に進めているという気持ちを持ってプロジェクトに当たりましょう。

      業者にスケジュールを作成してもらい、レビューポイントを確認します。

      6

      納品はゴールではない

      納品はゴールではなく、運用、サービスの始まりです。私はシステムやサービスは生き物だと思っています。保守をしっかり行いながら、理想の形に育てて行くことが重要です。

      そのためにも開発元の業者との関係は、大切にしていきましょう!

    • 予算は伝えるべきか?

      予算を伝えると、予算上限ギリギリの見積りを出されてしまい、相場より高値で買わされるのではないかという不安があるかもしれません。

      相見積もりであれば、それほどそこに不安を感じる必要はありません。むしろ、予算を伝えないほうのデメリットがあります。

      たとえば、10万円しかないのに、100万円のシステム見積もりを依頼してしまっては、お互いに無駄な時間を使うことになります。

      最初から10万円しかないと伝えておけば、本来は100万円掛かるシステムでも、別の最善のやり方を提案してもらえる可能性もあります。

      予算がわからないと、業者側もどこまで提案していいのかわからず、不安になります。

      たとえば、セキュリティ対策を1つとっても、ITの世界では絶対に安全というものがなく、やればやっただけ安全にはなるのですが、それだけ膨大に費用がかかります。

      ですから、予算がわかれば、予算に合わせて最善の提案ができることになります。

      失敗する発注者に多いパターンその3

      業者を代替が可能なものだと思っている

      失敗パターンその2でも一部触れていますが、業者なんてたくさんいるのだから、お金さえ出せば一杯いると思っている方がいらっしゃいます。

      たしかにお金が沢山あるのであれば、発注先には困らないと思いますが、一度そこに依頼した後は違います。

      前の発注先でトラブルがあり、そのプログラムを持ってきて、追加開発や、保守を依頼されるお客様もいらっしゃいますが、他社で作成したプログラムに責任を持ってくれるシステム開発会社はほぼありません

      システムというものは、諸手の刃と同じです。システムを構築することで便利になったり、大きな利益をもたらしてくれる一方、システムの脆弱性を突かれ、改竄されたり、個人情報の流出などになれば、会社の信頼は失墜し、大きな損失をもたらすこともあります。

      弊社ではシステムを改修したり、保守したりするときに、爆弾を扱うのと同じくらい慎重に扱います。

      一度決めたら業者は変更しないがベスト。しっかり話し合いをして相互理解を深めましょう。

      様々な理由で今の業者に見切りを付けて、ご相談にやってこられるお客様もいますが、お話を聞くと、そもそも無理なスケジュールで進めていたり、そんな安い金額でよく依頼できたなと思うことがあります。

      絶対今の業者で続けろとは言いません、悪質な業者もいると思います。

      しかし、業者側がかなり無理をして進めてくれていた結果なのかもしれないと思うことも多いです。もう一度、業者に歩み寄ってどうして今の状況になってしまったのか、話し合ってみましょう。

      色々とお話を聞く限りでは、他の業者に変えたからっと言って、簡単に解決する問題ではないように思えます。システム開発系の業者は、基本的にコミュニケーションが下手なところが多く、多くの問題はコミュニケーション不足が元で起こることが多いのではないでしょうか?

      システムは小さく始めて、大きく育てることが成功のポイント

      システムは実際の業務に落とし込んだときに、もっとこうするべきだったという改善点が見えてきたり、現場からこうして欲しいという要望が必ず出てきます。

      最初から完璧なものを作ろうとしないことがポイントです。

       

      初めての依頼先というのは、どんなに慎重に選んだとしてもリスクがあります。仕事を受ける我々業者側も正直同じ気持ちなのです。

      初めての仕事から大規模なシステムをいきなり依頼するのではなく、最低限の機能でまず作り、そこから徐々に機能を付けていくようにしましょう。

      そもそも何ヶ月もかけて作ったシステムは、時代遅れとまではいきませんが、発注時点と納品時点で状況が大きく変わっている可能性もあります。

      最終的な形はもちろん決めておいたほうが良いですが、臨機応変に変化に対処できる体制をつくりましょう。

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